ページの先頭です

山梨県弁護士会について

声明・総会決議

安保関連法の施行に抗議し、その適用・運用に反対し、あらためてその廃止を求める会長声明

 本年3月29日、安保関連法(平和安全法制整備法及び国際平和支援法)が施行された。
 同法は、歴代の内閣が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を、「存立危機事態」なる不明確かつ抽象的な要件の下、容認するものであって、明らかに憲法9条に反し、無効である。
 また、従前、非戦闘地域でのみ可能であった後方支援において、武器及び弾薬提供、並びに戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備(以下「戦闘行為への給油等」という。)は禁止されていた。それにもかかわらず、同法は、現に戦闘が行われていない地域であれば後方支援を可能とし、加えて、弾薬提供及び戦闘行為への給油等をも許すものであり、このことは、自衛隊が海外において、外国軍隊の武力行使と一体化する危険性を孕むものであって、武力の行使を禁止する憲法9条に明白に反する。
 さらに、同法は、一内閣の閣議決定による憲法解釈の変更に基づき法案が作成されたうえ、大多数の国民の反対意見を無視し、国会における十分な審議が尽されることなく、強行採決され成立したものである。これは本来必要な憲法改正手続を経ることなく、立法によって憲法を実質的に変えようとするものであるから、立憲主義、国民主権の基本原則に明らかに反する。
 当会は、2014年5月の「集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲に反対する総会決議」以降、2015年5月の安保関連法案の提出、並びに同年7月及び9月の衆参両議院での強行採決に当たり、その都度、一内閣による極めて横暴な一連の行動に対し、抗議してきた。こうした当会の抗議は、昨年6月と9月に行った当会主催の安保関連法反対の憲法市民集会・パレードに参加頂いた延べ2000人もの市民の方々の賛同により支持されている。
 したがって、当会は、安保関連法が施行されたことに抗議し、その適用・運用に反対し、あらためてその廃止を求めるものである。

2016年4月9日

山梨県弁護士会
会長 
松本成輔