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山梨県弁護士会について

声明・総会決議

立憲主義違反の安保法案成立に抗議し、即時廃止を求める会長声明

 安保法案(平和安全法制整備法及び国際平和支援法)が9月17日に参議院平和安全法制特別委員会において採決され、本日、参議院本会議において可決され、成立した。
 当会は、平成26年5月の「集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲に反対する総会決議」以降、同年7月に集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する抗議及び撤回を求める会長声明、平成27年5月に安保法案に反対する会長声明を発出した。さらに、同年6月と9月に安保法案反対の憲法市民集会・パレードを開催し、延べ2000名の市民の方々の賛同を得た。
 これらの決議、声明及び集会・パレードにおいて繰り返し述べてきたとおり、安保法案は、憲法改正手続によって実現すべき日本の安全保障について、十分な審議を尽くさず、多数決の名のもとに、多くの国民の反対や慎重審議を求める声を無視して成立したものであり、国民主権、民主主義に反する。そして、戦争が究極の人権侵害であり、二度と政府による戦争の惨禍を行わせないとした日本国憲法(前文及び第9条)を踏みにじる安保法案の成立経過は、主権者国民が権力者の濫用から基本的人権を守るために憲法を制定し、権力者に守らせるという立憲主義にも反するものである。憲法によって国政を行うという法の支配を意味する世界の共通のルールである立憲主義をないがしろにする行為は決して許されないものである。
 したがって、当会は、基本的人権の擁護と社会正義を実現する使命に基づき、法律制度の改善に努める義務を負う弁護士の団体として、国民主権、民主主義、そして立憲主義に反する安保法案の成立に対して抗議し、即時廃止を求めるものである。

2015年9月19日

山梨県弁護士会
会長 
關本喜文