本年11月4日午前4時5分頃、秋田弁護士会会員の津谷裕貴弁護士が、同弁護士の自宅を訪れた男から上半身を刃物で刺され、約1時間半後に搬送先の病院で死亡するという大変痛ましい事件が発生した。当会は、亡くなられた津谷弁護士のご冥福を祈り、ご遺族に対して心から哀悼の意を表する。
被疑者は現行犯逮捕され、現時点では犯行動機等の詳細は明らかにされていないが、報道によれば、被疑者はかつて津谷弁護士が受任していた離婚事件の相手方であったとのことで、弁護士業務に関連する事件である可能性が高い。
本年6月2日にも横浜弁護士会に所属する弁護士が、事件の相手方に法律事務所内で胸部等を刃物で刺され死亡するという痛ましい事件が発生しており、今回、再び弁護士が暴力によって命を奪われたことは誠に痛恨の極みである。 業務に起因した弁護士に対するこのような犯罪行為は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護士の業務及び司法制度、法秩序に対する重大な挑戦であり、許し難い暴挙である。
当会は、弁護士業務妨害対策委員会において弁護士業務妨害行為の予防及び排除に向けての活動を行っているところであるが、今回の事件を受け、今後、なお一層対策を強化するとともに、このような卑劣極まりない暴力的手段による弁護士業務妨害行為に対しては、毅然と対処し続ける決意であることをここに表明する。
2010年11月8日
山梨県弁護士会
会長 信田 恵三