本日、都留市に「都留ひまわり基金法律事務所」が開設されました。
「都留ひまわり基金法律事務所」は、当会、日本弁護士連合会及び関東弁護士会連合会の支援のもとに開設されたものですので、その理由と経過についてご説明させて頂き、「都留ひまわり基金法律事務所」に対するご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
山梨県は、国中地方と郡内地方の二つに分かれますが、甲府地方裁判所・甲府家庭裁判所にも、本庁の他に都留支部があり、都留支部の管轄区域が郡内地方となっています。
その人口も、国中地方が約68万人、郡内地方が約19万人(山梨県全体で約87万人)となっています。
ところが、各地方に事務所を置く弁護士の数を見ますと、甲府に76人いるのに対し、都留支部管内には、これまでわずか1人しかいませんでした。
甲府に事務所を構える弁護士が都留までは車で1時間程度で足を運べる環境ではありますが、郡内地域の市民にとっては、自らの権利について、弁護士に 相談するにも、依頼するにも、甲府(または東京都や静岡県)まで行かなければならず、特に自動車を運転しない市民にとっては、とても不便な状況が続いてき ました。
当会では、1997年(平成9年)から、大月市に非常駐の東部富士五湖法律相談センターを開設し、現在では毎週1日、会員が交代で赴いて、法律相談をしています。 しかし、それだけでは、郡内地域の市民にとっては、弁護士が身近にいるとは言えませんでした。
そこで、当会では、昨年度、日弁連に対し、「ひまわり基金」(当会会員を含む全国の日弁連会員が特別会費として月額1400円、年間合計約4億円を 積立てている基金)の援助による「ひまわり基金法律事務所」を都留市に設置することを求めることとなり、その後、日弁連及び関弁連との間で協定を締結し、 「都留ひまわり基金法律事務所」の設置が決まりました。
その決定を受けて、「都留ひまわり基金法律事務所」に赴任する弁護士を全国から公募したところ、第二東京弁護士会所属の倉内信崇弁護士の応募を得 て、当会、日弁連及び関弁連の三者からの委員で構成した支援委員会による選定を経て、同弁護士が決定し、同弁護士が決定し、この9月1日、当会に入会する と同時に「都留ひまわり基金法律事務所」が開設されたものです。
このように「都留ひまわり基金法律事務所」開設の目的・使命は、郡内地域の住民に対して身近な弁護士による法的サービスを提供することにありますの で、この「都留ひまわり基金法律事務所」の存在が郡内地域の住民の方々に広く知られ、これまで弁護士に会うことが不便なために弁護士に相談することをあき らめていたような多くの住民の方が、この事務所を利用して頂き、この事務所の使命を果たすことができるよう願っております。
また、この「都留ひまわり基金法律事務所」が成功すれば、郡内地域で開業することに不安を抱いて躊躇していたような弁護士が一般の法律事務所を開設する可能性が高くなります。 この「都留ひまわり基金法律事務所」がいわば呼び水となって、富士吉田市、大月市、上野原市など郡内地域の各地に新しい法律事務所が開設され、郡内地域の住民に対する法的サービスが充実することが理想です。 そのためにも、まずは「都留ひまわり基金法律事務所」がその使命を立派に果たすことができるよう、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
2008年9月1日
山梨県弁護士会
会長 石川 善一