ページの先頭です

山梨県弁護士会について

声明・総会決議

声明

本年10月2日をもって、当会所属の関一弁護士(事務所 甲府市相生二丁目7番20号関法律事務所)が、当会に対し、退会届を提出するとともに、事実上その業務を停止しました。
これに先立ち、同弁護士が破産管財人を務めていた、

甲府地方裁判所平成8年(フ)第180号破産申立事件
(破産者株式会社日之出宝飾)
並びに関連する
株式会社大真、有限会社青葉工芸及び株式会社泉宝飾の4社の破産申立事件

につき、同裁判所より当会に対し、破産管財人交替の連絡がありました。
その理由とするところは、報告義務の違反等任務懈怠ということでしたが、同時に、破産財団から使途不明な出金が存在する可能性が指摘されました。
この点につき、当会会長において、退会届を直接同弁護士から預かった際、同弁護士に確認したところ、6千数百万円の横領の事実を認めました。

以上の経過により、当会は、同弁護士につき懲戒の事由があるものと思料し、同弁護士の同意を得て退会届は預かりとしたまま、10月2日の常議員会において、弁護士法及び当会会則・会規に基づき、懲戒の手続に付し、当会綱紀委員会に調査を命じることを決定いたしました。

また、甲府地方裁判所からは、10月8日、山梨県警察本部に対し同弁護士を告発した旨の連絡を受けました。あわせて、後任の破産管財人からも、同日、関一弁護士を山梨県警察本部に告訴した旨の連絡を受けました。さらに、同日、同裁判所所長から、当会に対し、同弁護士に対する懲戒請求がなされました。

真実そのような行為が同弁護士によってなされたとすれば、弁護士としてあるまじき行為であり、弁護士及び弁護士会が長年にわたり努力を重ね獲得してきた市民・県民の皆様からの信頼を著しく傷つけるものであり、誠に遺憾であります。

当会には、懲戒手続の結論が出る以前の段階で事案の内容を公表する制度はありませんが、事の重大性と社会に及ぼす影響の大きさに鑑み、日弁連の当該規程の趣旨にのっとり、事前公表に踏み切ることといたしました。

今後、捜査機関による厳正な捜査により、事案の解明がなされることとなりますが、もとより、当会としても、捜査に協力するとともに、積極的に事実の究明に努め、懲戒事由の存在が認められると判断した場合には、断固とした処分を行う所存であります。

また、当面、同弁護士が現在受任している事件の依頼者の方々の不安を取り除く一助とすべく、本年10月16日(土曜日)午後1時より、当会館4階大会議室において、依頼者の方々を対象とした依頼者説明会を開催し、状況の把握に努めたうえで、後任の弁護士の紹介等を含めた今後の方策を早急に検討する予定でおります。

当会の会員によりそのような行為がなされたとすれば、まさに当会始まって以来の不祥事であり、当会としては、上記依頼者説明会を皮切りに同弁護士に対する依頼者の方々の被害を最小限とするための方策を講じるとともに、二度とそのような事件が起こらないようにするための対策を検討・実行し、あわせて人権擁護活動等弁護士及び弁護士会に期待されている諸活動のこれまで以上の地道な実践を通じ、市民・県民の皆様からの信頼の回復に誠意努める所存であります。

2004年10月12日

山梨県弁護士会
会長 
水上 浩一