本年4月14日午後5時50分ころ、当会所属弁護士の事務所が所在するビルに多数の消防車や救急車が相次いで到着し、周辺一帯が一時騒然とする事態となった。消防署によれば、これは、外線から、当該ビルの3階で火事があり人が死んでいる旨の内容虚偽の通報がなされたことによるものであった。
この事件の直前、当該弁護士は、いわゆるヤミ金融業者と電話でのやり取りをしており、その電話は先方の「弁護士とは関係なくやる。」「この野郎。」という趣旨の暴言を最後に一方的に切られた。その直後から、同弁護士の事務所には、でたらめな内容の嫌がらせ電話がひっきりなしに架かる状態が20分以上にわたって継続し、間もなく上記の事態に至ったものである。
また、同日午後6時過ぎには、先のヤミ金融業者と思われる者から当該弁護士の事務所に電話があり「消防車が来て大変だったですね。」などと述べた。
これらの事実によれば、上記虚偽通報は当該ヤミ金融業者によりなされたものである可能性が非常に高い。
そうであれば、当該行為は、市民が弁護士に依頼して紛争を法的に解決しようとする正当な権利や、近隣住民の平穏安全な生活を脅かす極めて悪質な嫌がらせであるとともに、弁護士業務に対する許しがたい妨害である。
金融機関等から融資を受けることができない多重債務者の窮状に付け込み、法定の金利をはるかに超える高金利で貸付けを行う、いわゆるヤミ金融業者による深刻な被害は、つとに大きな社会問題となっている。本件は、そのヤミ金融業者と思われる者によりなされた弁護士に対する悪質な業務妨害事案であって、到底看過することができない。
当会は、当該行為を行った者を徹底的に処断すべく捜査機関に対して厳正な捜査を直ちに開始されるよう強く求めるとともに、今後も弁護士に対する業務妨害に対しては一歩も引くことなく毅然と対処する所存であることを改めて表明するものである。
2004年4月20日
山梨県弁護士会
会長 水上 浩一