要綱(骨子)は、「再審の請求についての調査手続」を設けて、「理由がないことが明らかであると認めるとき」は、裁判所が再審請求に対して事実の取調べや証拠の提出命令を行わないまま、直ちに再審請求を棄却することを義務づけている。
しかし、この調査手続では、裁判所は事実の取調べや証拠の提出命令をせず書類審査だけでその再審請求を十分審査しないまま、「理由がないことが明らかである」として拙速に棄却することも可能となってしまう。過去の再審無罪事件においては、再審請求後に新たに開示された証拠が新証拠となって再審開始や再審無罪に至る場合が多いにもかかわらず、これでは再審請求人が証拠の開示を十分に受けられないまま拙速に再審請求を棄却されてしまうおそれがある。
以上のことから、かかる規定は設けるべきではない。
要綱(骨子)は、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを禁止していない。
しかし、検察官による不服申立てにより再審開始審が著しく長期化してしまい、えん罪被害者の早期の救済を阻害していることは明らかである。現に本年2月24日に再審開始が確定した日野町事件では再審請求から14年も要している。また、検察官は再審公判において、確定判決が妥当であることの主張立証が可能であるため、えん罪からの迅速な救済という再審手続の目的を阻害してまで、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを認める必要性は乏しい。答申の附帯事項において、検察官の再審開始決定に対する不服申立てについて、結論ありきではなく慎重かつ十分な検討を確実に行った上での適切な対応を求めているが、これを実効化する保障はない。
以上のことから、不服申立てを禁止する規定を設けるべきである。
2026年3月17日
山梨県弁護士会
会長 大西達也