本年1月3日、アメリカ合衆国(以下、「米国」という。)はベネズエラ・ボリバル共和国(以下、「ベネズエラ」という。)に対して武力攻撃を行い、マドゥロ大統領夫妻の身体を拘束した上で米国へ連行した。また、この武力攻撃による死傷者は100人を超えるとも報道されている。この米国によるベネズエラに対する武力攻撃は、自衛権の行使として正当化される余地がなく、国連憲章2条4項が禁じる武力による威嚇および武力の行使に該当する違法な武力攻撃であると言わざるを得ない。
トランプ大統領は、ベネズエラへの武力攻撃を正当化するとともに、ベネズエラの施政運営に対して、今後も継続して介入することを明言している。さらに、その対象はベネズエラに留まらず、他の中南米諸国等に対する軍事介入の可能性まで示唆するに至っている。
これらは、国連憲章をはじめとする戦後の国際法秩序を根本から否定し、「力による支配」を正当化しようとするものであり、極めて憂慮される事態である。いかなる国であっても、国際法を無視した力による介入は許されず、国際社会は、法の支配に基づき、国際法を遵守して問題解決をはかるべきである。
よって、当会は、米国によるベネズエラへの武力攻撃に対し強く抗議する。また、日本政府に対し、米国が「力による支配」を排し、「法の支配」に基づく国際秩序を遵守するよう、実効性のある働きかけを行うことを強く求めるものである。
2026年2月18日
山梨県弁護士会
会長 大西達也