平成28年12月15日,「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(以下,「カジノ解禁推進法」という。)が,衆議院本会議で可決,成立した。
当会は,平成26年10月11日付会長声明において,カジノ解禁推進法案が,ギャンブル依存症患者・多重債務者増加のおそれ,青少年の健全育成への悪影響,暴力団関与のおそれ,経済効果に対する疑問,といった諸問題を含み,さらには,カジノにおけるギャンブルが刑法の禁止する「賭博」にあたることを指摘して,カジノ解禁推進法案に反対する旨の意見を表明した。
これらの諸問題は,国民生活に重大な影響を及ぼすものばかりであり,カジノ解禁推進法案の審議にあたっては,広く国民各層から意見を吸い上げたうえで,法案の是非を慎重に判断すべきであった。
しかし,衆議院内閣委員会では,わずか6時間という極めて短い審議時間で採決が強行された。参議院内閣委員会でも,十分な審議が行われず,修正案についても,修正動議の後,わずか数十分の審議で可決された。
加えて,当会が指摘した諸問題の解決策については,何ら具体的な提案がなされておらず,施行期間までに作成されるとしても諸問題の解決が短期間で実現できる見込みは低く,国民生活に重大な影響が及ぶおそれは払拭されていない。
よって,当会は,「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」の成立に強く抗議し,本法律の廃止を求める。
2017年2月11日
山梨県弁護士会
会長 松本成輔